天はまさに大任を
2019年02月14日
水泳の池江選手が、自身のツイッターで白血病であることを告白し、世間は大騒ぎになっています。日本の、いや世界の女子水泳会を背負って立とうとしている人物がなぜこのタイミングで白血病になるのでしょう。天の命令なのでしょうか。なんとコメントして良いのかわからない気持ちになります。オリンピック担当大臣が発言を訂正しなければならないほど、混乱した?気持ちになったのも理解できます。目標をしっかり定め、人の何倍も努力を重ね、アジアで女子水泳のトップに登り詰めた高校生になぜ天はこのような苦しみを与えるのか。
孟子の言葉で
天の将に大任を是の人に降さんとするや、必ず先づ其の心志を苦しめ、其の筋骨を労し、
その体膚を餓やし、其の身を空乏し、行ひ其の為すところに払乱せしむ。
心を動かし、性を忍び、その能はざる所を曾益せしむる所以なり。
があります。これは
天がある人に天命を降そうとしたときには、必ずまず、志を立てたことに苦しみを与え、体力や心を痛めつけ、行動を乱れさせる。それは一見残酷に見えるがその人の心を強くし、苦しみに耐えることにより、より強い人間にするためなのである。
この言葉は、私は苦境に陥った時、この言葉を糧にいろいろな土俵際を踏ん張ったものですが、18歳でこのような苦境を経験するとは何とも天の冷酷さを感じてしまいます。心が折れることもあるでしょうが、そんな時はそれでも良いのです。折れてこそ立ち上がることができるのですから。彼女の挑戦を見守りたいです。
健康は、普段感謝する気持ちにならないものです。健康が当たり前に手に入れられている時はなおさらです。ところがそれが瓦解した時、朝起きて普段の生活ができる事がどれほど有り難いかに人は気付くのです。
我々は何かに対して一所懸命に生きている人が病に倒れ、挫折を経験した人を見た時、それを応援するだけではなく、同時に五体満足で病のない人がいい加減に生きていいのかと自身の人生を見直すべきです。たった一度の人生なのですから。