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代表取締役 出口博俊

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餅ばあちゃんの物語

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2020年06月12日

 先日、NHKのプロフェッショナルの番組の中で、餅ばあちゃんの物語という回がありました。本州の北端、五所川原市で30年以上、たった一人で年間50万個以上の笹餅を作る職人を取り上げた物語ですが、年齢が93歳です。
 このおばあちゃんは、笹餅の笹も自分で林に入って取りに行き、それを洗い、体裁を整えるためにトリミングをし、餅にくるみ梱包作業まですべて一人でやっていました。
私はこのプロフェッショナルが好きで毎回見ていますが、これほど心に刺さった回はありません。何がきっかけで始めたのか覚えていませんが、おそらく60歳くらいから餅作りを始め、30年間続けている姿、勿論お金のためではないでしょう。お餅を食べておいしいと言ってくれるお客さんのために作り続けているのです。しかもそこに何の気負いも感じられません。ただ黙々とお餅を作っている姿を見ているとものすごく心を打たれました。
 このおばあさんの言葉で感動した言葉があります。このおばあさんは、離れに同居している息子夫婦がいるのですが、その夫婦は夫婦同時に癌が発見され闘病生活を送っています。その夫婦は下の世話が自分ではできないためこのおばあさんが介助しなければなりません。仕事中に何回も電話で呼び出しを受けそのたびに離れに介助に行きます。その為昼間餅作りに集中することができず途方に暮れている場面がありました。餅作りを一旦中止するしかないのではないかという場面で、おばあさんが言った一言が胸に刺さりました。「成るようにしか成らないから」
 「なんで自分が90歳になって子供の下の世話をしなくてはならないの。」こんな状況になったら普通こんな不満の一つも言いたくなりますよね。でもおばあちゃんがこの状況で言った一言がこの言葉でした。この一言が、おばあちゃんが今までの人生をどう生きてきたかを表しています。
 長く生きていればいるほど、分かってくる事、それは人生、自分の思い通りになることなどほとんどないということです。時には、因果応報では説明のつかない理不尽な出来事に遭遇することもあります。そのような境遇に陥った時に、その出来事をどう受け入れ生きるのか、それで人の価値が決まります。おばあちゃんはその生き方を一言で表現したのです。
 そのあと、おばあちゃんは午前2時に起きて餅を作っていました。
 どんな状況になっても、今できる事は何かを考え、それをやる、それ以外の事を考えない。それしかないのです。一日一日全力で生きる、それを見せつけられた番組でした。

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