ギリシャ債務問題
2015年06月30日
6月30日になりました。巷ではギリシャの債務問題の件で大騒ぎしています。ギリシャが国際通貨基金(IMF)への返済期限である30日に日本円で約2000億円を用意できなければデフォルトを起こしてしまうということです。過去何度もこのギリシャの債務問題は世界経済のリスクとして取り上げられてきました。その度にギリシャはギリギリの交渉をして問題を先送りしてきたわけですが、さすがに今回はEC諸国が譲歩せず、ギリシャの瀬戸際外交は実ることなく、このままで行くとギリシャ経済が破たんすることになります。
一度経営破たんしたJAL,GMを見ているようですね。過去何度も経営危機に直面し、その度に企業年金等の抜本的な改革を計画しながら、結局組合の反対にあい実現できませんでした。最大の敵は既得権を持った人です。人は一度手に入れた既得権益を容易には手放しません。会社がどんな状況に陥ろうと貰うものは貰うというように。そこには「自分もその組織に参加している」という意識が欠落しているのです。最終的には破たん処理をしなければならなかったところは今のギリシャ問題によく似ています。
一方は国、一方は企業ですから同じ次元で語ることができないのかもしれませんが両者に共通していることはどちらの国民も社員も、当事者意識があまりないという感じがします。「危機を作り出したのは俺たち私たちじゃない」と思っているのではないかと。危機を作り出したのはどこかのお偉いさんか、過去の社員だと思っているのでしょう。自分たちは関係ないと。だから痛みの伴う改革には「NO!!」と堂々と言うのです。
これはとても恐ろしい考え方です。「上手く行ったら自分の手柄、上手く行かなかったら人のせい」のような考え方をしていればそのような人に周りは誰も近づかないでしょう。同様に国や企業が赤字であろうとなかろうと貰うものは貰うと言う集団の行きつく先は破たんしかありません。
弊社グループは今日をもって第26期を終了します。ステークホルダーの皆さんに支えられて今年一年も良い年度末を迎えることができました。有難うございます。
二宮尊徳翁が述べられた「自然の力は人知を超える。人間の作り出したものは必ず滅びる。だから何時でもその手入れを怠ってはいけない」という言葉を忘れず、またギリシャ問題を他山の石として来期も日々精進してまいります。