最近の不動産動向
2015年08月06日
最近、いろいろなクライアントの方から聞かれる質問があります。その質問は「東京の不動産はどう?まだ上がるのかね?」なんですね。安倍政権になって2年6か月が過ぎ、円安に伴って上昇してきた日経平均株価は約2倍になっています。それに伴って資産効果のせいか東京の土地や、新築マンション、中古マンションの価格が上昇してきました。これがいつまで続くのかということが資産家の皆さんだけではなくマンションを購入されている方なら誰でも気になることでしょう。
我々の仕事の中心である東京の中古マンション市場に関していえば、ザックリですが、民主党政権時代を基準にしてどの程度値上がりしているのかというと都心3区のマンションは20パーセント、それ以外のエリアのマンション相場は5〜10パーセントといったところでしょう。あくまでも目安です。都心の湾岸エリアでは30パーセント値上がりをしている物件もありますがそれが定着しているとは言えません。あくまでも売り気配と買い気配が交わるところが相場ですから1件高く売れたからと言ってそれが相場というわけではありませんから。
以前から私の考えは、そもそも国民一人当たりの可処分所得が大幅に上昇しているわけではない中でマンション相場が上昇するということは考えられないし、又それが持続することはあり得ないと思っていました。ですから今回の上昇は株式やリートの上昇による資産効果での値上がりであり一巡したら落ち着くのではないかと考えていました。ところが実際には東京23区の全エリアで程度の差こそあれ値上がりが見られます。景気というのはわからないものです。
ですからこれからなお上昇するのか、それとも下落するのか、これは神のみぞ知ることです。しかし、東京の不動産事情に異変が起こっているのは確実です。それは、購入者に外国人というプレーヤーが出てきたことです。しかも、このプレーヤーは都心の高額物件だけではなく沿線のファミリータイプの中古マンションまで購入の手を広げてきているのです。
先日香港に行った際、出てきた話が香港の不動産価格の高止まりです。香港は土地が少ないということもあるのでしょうが香港島の中心部、中環や九龍島の繁華街に近いコンドミニアムの価格は日本の都心のマンション価格の3倍から4倍します。家賃も考えられないくらい高いです。40平米タイプでも40万するですから。それでも払える人がいるから成り立っているのでしょう。それを考えた時、日本の不動産は香港のそれに比べるとはるかに値ごろ感があるとも言えるのです。
東京が国際都市に成ればなるほど、不動産の購入者は日本人だけではなくなることを念頭に入れておかないとマーケット動向を見誤ることになります。
国際都市か、良い言葉ですね。