まさか
2015年11月06日
人生には、いろいろな坂があります。上り坂、下り坂、良い事ばかりが続くこともあり、また悪い事ばかりが続くときもあります。しかし、まあ足して二で割ればフラットなのかもしれません。ところが、坂といえば坂なのですが「まさか」という坂があります。これは非常に恐ろしい坂で全く予期していない出来事が起こることを指します。
「まさかこんなことが起こるなんて想像できなかった!」人生での大きな番狂わせなのでしょうがこれは良い事にも悪い事でも起こります。
良い事で起こったまさかで代表的なことは数年前になりますがサッカー日本女子がワールドカップで優勝したことです。もちろん実力も持ち合わせていたのでしょうが少なくとも当時、多くの日本人は優勝するとは思ってもいませんでした。それもあって優勝後のマスコミの取り上げ方も極端なら日本人の反応も極端だった気がします。優勝を境にその後の女子サッカー選手の人生は大きく変わったでしょう。最近ではラグビーワールドカップでの日本チームの活躍、中でも五郎丸選手のマスコミでの取り上げ方は突出しています。プレスキックをする前の独特のしぐさもあるのでしょうがワールドカップ前にまさかこれほど騒がれることになるとは本人も想像できなかったのではないでしょうか。この「まさか」から人生を切り開いていってもらいたいですね。
その逆に悪い事での「まさか」があります。最近問題になっている旭化成建材のくい打ち工事のデータ改ざん事件です。ほんの2か月前、鬼怒川の堤防が決壊し氾濫した際にその氾濫に耐えたことで一躍有名になったへーベルハウスを抱える旭化成グループにとっては青天の霹靂だったでしょう。まさに天国から地獄です。くい打ちに関して複数のデータ改ざんが見つかり未だ終息の気配すらありません。
首都圏は東日本大震災を経験し、大規模マンションでマンション自体が傾いたという話は聞いたことがないのでデータ改ざんでマンションの耐震性を大きく揺るがすことになるとは考えにくいのですが、一旦それがマスコミに取り上げられると世論に火をつけることになり誰もが最初は想像していなかった方向に流れてしまうのはよくあることです。
そもそも、地震国日本で建築物に対して「安全神話」などは存在しないのではないでしょうか。免震構造も制振構造もまだまだ道半ば、これだけ備えたから絶対安全という考え方自身が「神話」、即ち実際にはありえないことなのでしょう。我々人間は、自然の前では無力とは言いませんが大した存在ではないのです。しかし、自然から身を守ろうと必死に生きてきました。しかし、あくまでも道半ばであることを忘れてはいけません。
この問題、どこまで発展するのでしょうか。分かりませんが大切なことは考えすぎないことです。現に建物が傾いていなければ大丈夫ですよ。考えすぎて神経すり減らせば何のための人生なのかわからなくなります。