新年が明けて
2016年01月15日
新年が明けて、世界の株価が下がり続けています。日経平均株価も年末から2週間足らずで2000円を超える下落を起こしました。ここまでの展開では27年前の平成元年、バブル絶頂期の12月29日大納会で付けた最高値の38000円を頂点としその後坂道を転がり落ちるように下がっていった株価を思い起こします。事の発端は、中国経済の減速が明らかになり、それに重ねて原油価格を筆頭に資源価格の暴落があり、そのタイミングで米国金利のゼロ金利解除があったりと、実体経済とその実体経済の思惑で動いていたリスクオンで流れていたお金が猛烈にリスクオフに流れている結果です。しかしもっと穿って考えていくとやはり原油価格の暴落が全ての発端なのでしょう。1年前に、100ドルつけていた原油価格が30ドルですから。1970年代に起こったオイルショックの逆バージョンです。しかし、相場というのは恐ろしいですね。ほんの2年前にシェールガス革命ともてはやされた企業が倒産寸前になってしまうことをだれが予想したでしょうか。そもそも、需要がそれほど増えないのに供給が増えれば、価格が値崩れするのは当たり前なのでしょうがそれが3分の1以下になるなど、余りにもあまりにも極端すぎます。現在の世界経済を考えた時、原油価格はいくら位が妥当な価格なのかという理論価格さえ大きく上下しています。この先原油価格が10ドルになるというエコノミストもいれば60ドルになるという経営者がいたりして見通しはさっぱりわからないというのが現状でしょう。
世界が近代に入って行われた戦争の多くはこのエネルギー資源が大きく絡んでいます。自分たちが快適に生活をするために必要な資源をどう安定的に確保するか、が世界中の国々の最優先課題となりその為には血を流すことも辞さないという国々の姿勢が武力衝突に発展してきました。
また、世界各国は安定的なエネルギー確保のため原子力発電所を作りクリーンエネルギーの開発競争も行ってきました。核廃棄物の処理を後回しにしても。それで起こった数々の原発事故。原油に代わる代替燃料として革命がおこるとされたシェールガスが出てきたとたんその企業を潰しにかかっているとも思われる過度な原油安、それに乗っかるヘッジファンド、この世の中は魑魅魍魎が跋扈しています。
今後も、エネルギー問題は世界経済について回ります。これに振り回されることは我々が快適な生活を送り続けるためには必要不可欠なものである以上不可避なのでしょう。しかし我々がこのような時代を乗り越えていくために必要なことは、どのような事態に陥っても過度に反応しないことです。
行き過ぎた価格は必ず元に戻ります。目先に振り回されることなく、しっかりと地に足をつけた投資をしていきましょう。
今年もよろしくお願いします。