サブプライムローン
2016年08月04日
サブプライムローン
先日、「マネーショート 華麗なる逆転」というサブプライムローン問題に端を発して起こったリーマンショックを予見した人物を中心にした映画を観ました。当時の経済の大混乱を思い返しながら観ていて、人間社会は形を変えながらよく似た誤りを繰り返すものだとつくづく思います。何故リーマンショックが起こったのか?根底にあるのは、アメリカの住宅バブルです。日本でも平成2年に土地のバブルが崩壊しました。その直前、銀行を含めた金融機関が普通じゃ考えられない融資を実行していました。「土地が値下がりすることはない」という戦後一貫して値上がりを続けた経験から融資を受ける人物の収入やその土地を購入して事業を起こす事業収支を無視した融資が行われていたのです。そしてパンパンに膨らんだ土地価格はあるきっかけで崩壊しました。日本の場合はそれが当時の大蔵省が出した金融機関に対する不動産融資の総量規制とされていますがあくまできっかけであり、それが原因ではありません。アメリカに端を発したリーマンショックも20年前、日本が経験したバブル崩壊を目にしておきながら、それと似たような「土地神話」を作り上げ、金融機関は与信を無視した融資を実行していました。今回のリーマンショックが日本のバブル崩壊と規模が違うのは金融機関が単に無分別な融資をするだけではなく、その融資債権でデリバティブ商品という中身が分かりにくい商品を作り上げ、そこにレバレッジをかけるという専門家でさえ理解できない商品を世界中の機関投資家に売りまくっていた事です。結果、欧米の金融機関が倒産の危機に追い込まれ、金融システムの崩壊の一歩手前の所まで行ってしまいました。
バブルというのは不動産や株式でも債券でも起こり得るのでしょうがバブルの特徴は崩壊する直前に急激に上がるというものです。誰かが仕掛け売り抜けようとするのか、それとも過熱が起こるからその過熱が行き過ぎた時、バブルがはじけるのか原因はよくわかりません。
現在、不動産投資がブームとなってきています。空前の金融緩和、マイナス金利の影響で金融機関が積極的に融資を実行していることも一つの要因です。その影響で東京の不動産だけでなく、地方の不動産価格が上昇しているという話を聞きます。少ない自己資金でキャッシュフロー上、プラスが出るという理由でサラリーマンが地方の不動産を購入している話を聞くと非常に怖い話だと思います。「賃料を保証してもらっているから」や「30年間、一括で借り上げてくれるから」などという話を聞けば聞くほど懐疑的になるのは私だけでしょうか?
これから少子化はどんどん進んでいきます。それに伴い、地方の人口は減少の一途になるでしょう。何故なら、人口が減るということはその分ビジネスチャンスが減るからです。ビジネスチャンスが減ればそこに雇用は生まれません。雇用が生まれなければ雇用があるところに人が流れてしまうのは自明の理です。過疎化を止めるためには雇用を増やすしか方法がないのです。大量の移民を受け入れない限り地方の雇用が増えるのは考えづらいです。そのような状況で地方のアパートやマンションに投資すれば・・・・・
某法律事務所が宣伝している過払い返還訴訟が一段落したら、次は地方に投資した投資家の債務整理に、とならなければいいのですが。