1. トップ
  2. 気ままに更新する社長のひとりごと
  3. 需要を増やすには

気ままに更新する
社長のひとりごと

プリンセススクゥエアー
代表取締役 出口博俊

需要を増やすには

  • このページを Google Bookmarks に追加

2016年09月22日

 昨日、日銀の金融政策決定会合があり長期金利をゼロ金利にする金融緩和を発表しました。日銀の政策はマイナス金利を維持したままということですから、実質上長短金利ともにマイナス、ゼロにするという金融緩和を長期的に行うということです。この日銀の政策、本当に効果があるのでしょうか?金融緩和の目的は物価上昇率2パーセントを達成させるためと言います。金利をゼロ、マイナスにすることで市場にお金が出回り、それが原因で物価が上がる?私はこの政策が発表された時、理屈の上ではあり得るのかな、と思っていましたが時間が経ち効果が思った以上に出ないところを見ると金融緩和が物価に影響を及ぼすのは現状では難しいのではないかと思います。
 大学時代経済学で、「流動性の罠」というのを学びました。通常の場合、金利の上昇や下落させる金融政策により景気刺激策や景気過熱感を抑制したりすることができます。しかしながら、金利を下げ続けある一定の利率以下になると金融政策は意味をなさないものになるという考え方です。金利は上がれば投資意欲が減退し借り手は減り、金利が下がれば投資意欲が増大し借り手は増えます。しかし、景気刺激をしても効果が出ず金利を下げ続けた結果、いくら金利を下げても景気の刺激にはならないというのは今の欧米や日本の現状なのではないでしょうか?政策金利をゼロやマイナスにしてもお金を借りる人がいなければその政策は意味を成しません。金融政策が有効に働く前提は金利を下げたら投資する人が増え、結果需要が増えるという状況であるということなのです。低金利になっても需要が供給を下回っている状況では、たとえ金利をゼロ、マイナスにしても需要が増えることは考えづらく景気の上昇に効果を及ぼすことができないのです。正に「流動性の罠」です。この罠に陥り金融政策を無効しないためにもアメリカのFRBは利上げをしたがるのでしょう。
 どうやって物価を上昇させるかは、もはや金融政策の問題ではなく、どうやって需要を喚起できるかという政策問題に係わってくるのでしょう。
日本が戦後の人口増加と奇跡の成長を遂げた事とは無関係ではありません。人が増えれば自然需要も増えます。その逆に人が減れば需要も減ります。ですから日本が今直面している少子高齢化といういわば成熟した社会で、需要を喚起するのは至難の業です。人口減少は需要の減退に直結します。その状況で需要を増やすためには思い切った政策を考える必要があります。ズバリ人口増加政策をとることに尽きると思います。
 子育てができる環境を作るのも勿論ですが、それだけでは間に合わないような気がします。

社長のひとりごと
プリンセススクゥエアー

Contents

コンテンツ

  • タワーマンションの売却・購入をご検討中の方へ

公式SNS

  • 採用情報をリアルタイムにお届け 公式X
  • 採用情報をリアルタイムにお届け 公式X