1. トップ
  2. 気ままに更新する社長のひとりごと
  3. 相続税対策

気ままに更新する
社長のひとりごと

プリンセススクゥエアー
代表取締役 出口博俊

相続税対策

  • このページを Google Bookmarks に追加

2016年10月21日

 政府が、海外資産への相続課税を抜本的に見直す方針を打ち出すという報道がなされています。その一例として現在、相続人と被相続人が海外に5年以上居住している場合、海外にある資産には相続税がかからないのですが改正で課税できるようにするようです。
 日本の相続税率は確かに高いです。6億を超える場合は超えた相続に対して課せられる税金は55%ですから半分以上税金がかかります。しかし、だからと言って相続税を払いたくないという理由だけで5年間も海外に居住する人がいるというのは驚きです。
 海外でもタックスヘイブンの国に法人を作ったりして個人の財産を子孫に移し替えるスキームが手を変え、品を変え出てきていると聞きます。有り余る財産を作った人たちはその財産を子供に継がせることが重要になってくるのでしょうか?
 私には理解できません。私は不動産業界に入って30年になりますがその間、色々な不動産取引を見てきました。それで、いくつもの悲劇も見てきました。その悲劇は人が財産を食いつぶし有から無になっていくことです。巨額の財産を手に入れた人が、色々な理由で徐々にまたは急激に人も物も失っていく過程をいくつも目の当たりにしてきました。それを見て感じたことは、苦労して稼いだお金ではない金を手に入れた人はそのほとんどがその金を失っていくということです。
 巨額の契約金と年俸を稼げるNBAの選手のスタープレーヤーのその半数が引退後5年以内に破産しているというデータがあるそうです。お金は人の考えを容易に変えていきます。お金を手に入れることでお金がない時には考えられなかった生活ができるのです。またその生活の中でお金に纏わりつく取り巻きもできてきます。それで気づいた時には抜き差しならない状況になってしまうのです。お金は稼ぐことより守っていくことのほうが非常に難しいのです。
 その為には「自己管理」ということになるのでしょうが、財産など無ければ無いで何の問題もないのです。一生遊んで暮らせるような財産があったがために悲劇が起こるということを考えると半分税金で持っていかれるのは嫌だと、税金を払わず子孫にお金を残すことばかりを考えるのはいかがなものか。巨額のお金を残すということは悲劇の種をも相続させることになるのです。
 方丈記の冒頭の文章を思い出します。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし」
 泡をいくら相続させようとしても、それは所詮、泡。結局は何も残らないのではないでしょうか。残るとしたら生き方なのかもしれません。

社長のひとりごと
プリンセススクゥエアー

Contents

コンテンツ

  • タワーマンションの売却・購入をご検討中の方へ

公式SNS

  • 採用情報をリアルタイムにお届け 公式X
  • 採用情報をリアルタイムにお届け 公式X