不動産による財産作り
2009年02月02日
不動産の購入というのは、プラス思考でないと購入できません。マイナス思考ですと「もっと不動産は下がるのではないか」から始まって「もっといい条件の部屋がこれから売りに出てくるのではないか」「この先もっと条件のいい借り入れ金利になるのではないか」ここまでは理解できるのですが、中には「給料が下がったらどうしよう」「失業したらどうしよう」「病気になったら払っていけないのではないか」等々、ここまできたらもう不動産の購入とは関係ないところまで悩んでしまう方までいらっしゃいます。決断しない言い訳ですね。確かに数千万円というお金を借りるわけですから、慎重に、または尻込みをする気持ちは分かります。ただ、前回も書きましたが住宅ローンというのは他の借り入れとは違い、自分の財産を作るために銀行から低利で長期間借り入れをすることが出来る有効期限のある権利なんだという認識を持つと考え方も変わるのではないでしょうか。財産を作るためにお金を借りる行為は借金ではなく借財なのです。
さて最初の命題「もっと不動産は下がるのではないか」これはこれから買おう、あるいは売ろうというお客さんには一番聞きたいことではないでしょうか。答えは、ただ一つ、「そんなこと誰にも分からない」です。私がもし分かっていたら今頃、とっくの昔に世界の大富豪になっているでしょう。分かりっこありません。後からの解釈は誰でも出来ます。でも将来の予測ほど、いい加減なものはありません。それが証拠に、今回の金融危機を何人の経済学者が予測していましたか?ほんの二年前に時間の針を戻してみて経済学者の評論を見てみてください。答えは自ずから出ます。「人生は小さなもしもの大きなもしもである」という言葉がありますが、この社会にも当てはまるのではないでしょうか。「あの時、リーマンブラザーズをつぶさなければ」とか「あの時あの首相が辞任しなければ」(笑)等、いろいろな予想外の要因が重なって景気や相場が成り立っているのです。その予想外の要因は人間が作り出すもの、天変地異により起こるものもあります。一年後の経済や不動産の相場を予想するのは、競馬の予想となんら変わりません。当てになりません。そのようなものに惑わされず、財産作りをしていかなければ周りの意見やマスコミに振り回されてしまいます。いつも会うたびに「今は不動産は買いか?」と聞いていて結局買わないうちに糖尿病になってしまった友人がいます。洒落にもなりません。
このようなことにならないために秘訣とは何か。不動産を買うことは、手段であって目的ではないはずです。「いくらで買うのか」ではなく「何のために不動産を買うのか」ここの考え方を明確に持っていることです。月々、いくらの支払いでどんな夢を実現するのかを考えてください。「今払っている家賃並みの支払いで、今の住環境より良い物件に住んでこれからの自分の生活を充実したものにしたい」「月々の支払いを抑えたい」「私設年金対策にしたい」等々、それぞれの理由があるはずです。そこを明確に持ってそれを判断基準にしていれば当てにもならない相場観に振り回されることはありません。
アメリカの大学での不動産学部で教わる事で、不動産の購入、売却の時期、方法について一番良い時期というのは、買うほうでは理屈ではなく直感的に「面白い」と思った物件を買う事、売るほうでは「最初にその売却物件の購入に手を上げた人に粘り強く交渉して売れ」というのが鉄則だと聞いたことがあります。不動産の購入、あるいは売却の一番良い時期は、「それは皆さんが夢の実現のために決断した時」だと思います。