リスクについて
2012年01月13日
2012年が始まりました。今年もよろしくお願いします。さて今年の最初の独り言はリスクについて語りたいと思います。リスクとはある危険にあう可能性と考えればいいでしょうか。色々な場面で使用されます。「タバコを吸うと肺がんになるリスクが高くなる」、「ハイリスクハイリターンの商品」、経済では「リスク回避の円買いが入った」等。リスクと言うのは安全性の裏返しの意味で使われているのですが使い方を誤ると神経が過敏になり、心配のし過ぎとなってしまいます。
たとえば、「喫煙者は非喫煙者に比べ肺がんになるリスクが10倍以上になる」等と言いますが、じゃ非喫煙者は死なないのかと言えばそうではないのです。それ以外の要因により喫煙者、非喫煙者に関わらず必ず死は訪れるのです。統計的に非喫煙者は数年程度喫煙者に比べ寿命が延びているかもしれませんが、まあその程度のものです。タバコを吸って100歳まで生きた人もいれば、タバコを苦労してやめてその一ヵ月後交通事故死する場合だってあるのですから。あまり深く考える必要は無いのではないでしょうか。
放射能被爆の問題が騒がれています。そこに問題がないとは言いませんが、タバコを一日40本吸う人は発ガンリスクが放射能を3000ミリシーベルト/時間被爆することに匹敵するといいます。今回の原発事故収拾のための作業者の累積許容量の10倍以上の発ガンリスクがヘビースモーカーにあるのです。また、受動喫煙のほうが喫煙者より発ガンの危険度が高いと言います。子供の前でタバコを吸う大人の行為の方が今の放射能被爆の問題より優先される問題ではないでしょうか。
日本は、世界一衛生状態が良い国だと聞いた事があります。空気清浄機が非常に売れる国らしいのですが、この無菌、除菌行為が本来持っている人間の抵抗力を低下させ、アレルギーや、強毒性ウィルスによる中毒をおこすリスクを高めているのではないでしょうか。東南アジアで普通に生活をしている人の食事を食べて日本人だけがコレラになる等、皮肉な話です。
飲酒運転による死亡事故の報道が連日放送されています。この報道を聞くたびに大変な憤りを感じるのですが、しかし、交通事故による死者は年間4000人程度まで低下してきているのに比べ、自殺者は年間3万人を越えています。何と交通事故死に比べ8倍の人間が自ら命を絶っているのです。国は何よりも優先してうつ病対策を講じるべきなのではないでしょうか。
我々は生きている以上色々な危険と隣りあわせとなります。その時、その危険を出来るだけ客観的に評価できる冷静さを持たないとその情報に振り回されてしまいます。先日も北京の大気汚染は日本の環境基準の上限の30倍だと言う報道がありました。原発問題が起こった時、多くの中国人が中国に戻ったと聞きます。どちらに住むのが高リスクなのか考える余裕が必要ですね。