ピンチはチャンス
2012年06月29日
ピンチはチャンス
弊社もこの6月の末で23期を終了し、7月より24期が始まります。思えばバブルがはじける直前に創業、失われた10年とも20年とも云われる時代を中古マンションの流通市場で生きてきたわけですが「今年は楽な一年だった。」などという年は、ほんの数えるほどしかありませんでした。しかもその後に必ずその楽したツケが回ってきました。「治において乱を忘れず」と言いますが、人間は治においては乱を忘れてしまう動物なのかもしれません。人間の作ったものは放っておいたら必ず無くなってしまう、だから毎日手入れをしなければならない、という二宮尊徳翁の教えを実践するためには「危機感」を持ち続けることが重要なのですがそれが中々出来ないのです。危機感を持ってあたっているつもりでいても気が付くと忘れている自分を発見するのです。
「喉元過ぎれば熱さ忘れる」が人間なのですね。これは悪いことばかりではありません。いつまでも「熱かった」事を覚えていたのではそれこそ「羹に懲りて膾を吹く」が続いてしまいます。忘れることも大事なんですよね。
常に緊張感を持ち続けることができない以上、やはりピンチ(危機)が来るとそれは緊張感を持って物事にあたるというチャンスなのでしょう。
私は先日野田首相が行った、民主党内部の造反を振り切り、消費税増税の関連法案が衆議院を通過した後の記者会見に、政治家が行うスピーチとしては久々に感動しました。ここ数年消費税増税はどの政治家も実施することができませんでした。なぜなら実施しようとした政党は選挙に負けるからです。それをよく知っているのは何を隠そう我々国民です。我々大多数はそれが必要だとわかっているのです。ですが、直接生活に影響するので出来ることなら先送りしたいと思い、その国民の甘さに付け込んだ政治家が「その前にやることがある」「景気が持ち直してからでも遅くない」と決断しない政治が国民の支持を得る政治だとしてきたのです。たとえ必要な政策でも、国民の痛みの伴うものはすべて先送りにする国家が衰退しないはずありません。支持率ばかり気にしているようでは日本の国は崩壊してしまいます。その意味でも野田首相の文字通りの「政治生命をかけた行動」は大変共感ができ感動しました。過去サンフランシスコ講和条約締結時や、日米安保条約改正時等、国家の重要な決定をするとき、一部国民の大変な反対にあいました。その反対を押し切り政治生命をかけて決断したリーダーがいたからこそ今日の日本があるのです。結果はどうあれリーダー野田首相の決断にエールを送りたいです。
いま日本は財政的にも、政治的にも大変な危機に立っていると思います。しかしながら、何も決まらない政治から一歩踏み出すチャンスともいえるのです。私にとって胸の熱くなる政治家が登場しました。野田首相を是非とも応援しなくてはならないと思います。
何もしないという決断ほど楽な決断はないのです。不動産の購入などもそうです。買わない決断のほうが買う決断より簡単です。挑戦しない決断には緊張感など皆無です。それで良いのなら別ですが。