何が大切なのか
2012年08月30日
先日、小学生の娘が一枚のカードを手でひらひらとさせながら外出しようとするのでどこに行くのかと聞いたところなんと、歯医者に行くといいます。「財布は?」と聞くと「タダだから」との返事。東京都の区によっては、小中学生の医療費がタダになるんですね。3割負担分を区が負担するんですかね。この政策、どういう趣旨なのでしょうか?少子化対策でしょうか。それとも若年世帯を誘致する政策なのでしょうか。政策の必要性はともかく私は物凄く違和感を感じます。こんなことで良いのかと思ってしまいます。
子供が小学生、中学生というとどこの家庭でもお金がかかる時期です。それはわかりますがだからと言って子どもの医療費をタダにするのはやはりおかしくないでしょうか。経済的負担の問題を言っているのではありません。子供の教育上の問題を言っているのです。子育て世帯に経済的負担を軽減させるというのであれば両親の医療費を免除するとか、世帯に手当を出すことで解決できるはずです。しかし、現状では親は医療費払わなければいけないのに子供はタダ、これを子供に説明するのですか?「子供は宝だから。だから親より優遇される」とでも言うのですかね。
それでなくても現代の子供が勘違いしています。家庭の主役は自分だという態度で話す子供をよく見かけます。もちろんこれは子供が悪いのではなくそれを教育できない親が悪いのですが。家庭の中心はもちろん親です。親が主役、子供は脇役、これを徹底して教えるのが教育です。親がいるから子供がいるのです。自分が存在しているのは親のおかげなのです。だからこそ親を敬わなくてはいけない。ごく当たり前のことです。これがベースになければどんな知識を教えてもまともな人になりません。20歳を超えたら法律上、成人となりますが人になるのとは別なのです。
また親が主役の家庭だから、自分も将来家庭を持って主役になりたいと思うのではないでしょうか。子供が主役の家庭では、子供が脇役になる親になりたいと思いますかね。
そうでなくても、マスコミの報道などで子供の発言を聞いていると「勤労の義務も、納税の義務も果たしていないガキが何を生意気な!!」と腹が立つ場面が多々あります。その上、医療費までタダにするというのは子供の教育によくないとは思いませんか。
「物に本末あり、事に終始あり。先後するところを知れば即ち道に近し」
何が大事で、何が優先されるべきか?これを教えられない教育など教育ではありません。
「子は宝」です。しかしその宝を光り輝く宝とするか腐らせるかは大人の責任です。
しっかり導きたいものです。