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社長のひとりごと

プリンセススクゥエアー
代表取締役 出口博俊

掃除

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2009年04月20日

 私共の会社は、「お預かりした物件を掃除いたします」という目標を掲げています。これは売却の依頼を受けた物件、または賃貸で募集をされる物件を対象にしています。
どうしてそういうことを始めたかと言いますと、私が不動産業について間もない頃、ある大変お世話になった投資家の方の一言がずっと心に残っていたからです。
その方は戦後まもなくからずっと不動産投資、アパートマンションの賃貸業をされてきた人です。足掛け五十年、賃貸投資をされてきた方が常々実行されていること、それが、賃貸が中々決まらないお部屋の掃除でした。「出口さん、これから不動産を続けていくつもりならこれだけは覚えておきなさい。賃貸でも、売買でも中々借主、買主がつかない部屋の掃除、アパートならアパート周辺の掃除をしなさい。不思議と決まるから。なぜかは分からないけど。」
 お見合いをする時、化粧もせず行く人はいませんよね。不動産も案内をするということはお客さんと物件とのお見合いと一緒ですから、人間と同じように物件を化粧してみてもらう、即ち掃除をするのは当然と言えば当然のことなのかもしれません。しかし、その当時の私にとってはとても新鮮な言葉でした。そして実行してみると・・・・決まるのです。不思議なことに。
 何故なのか。二十数年、不動産に関わってきましたが明確な答えは未だに見出せません。はっきりとした原因は永遠に見出せないのかもしれません。しかし、最近になって特に感じることです。仕事柄、多くのお部屋を拝見してきました。内装が全くされていないお部屋もあれば、内装が全面的に施されているお部屋もあります。しかし、内装の有無とは関係なく、「泣いている部屋」があるのです。これは私の感覚なので説明が難しいのですが、たとえば内装がしっかりされている部屋があるとします。それなのに部屋が泣いているんです。内装をした人の心配りが無いのか、あるいは伝わってこないのです。だから部屋が泣いているのです。理解していただけるでしょうか。別に何かが無いと言うわけではありません。でも何か重要なものが欠けているのです。それが内装製作者側の「心」なんでしょう。マンションは確かに物です。しかし物にも「心」があるのです。それなのに内装を製作する担当者が単なる物として扱ったら部屋は泣いて当然です。反対に「微笑んで迎えてくれる部屋」があります。まだ見ぬ次に使用される方を想像しながら使い勝手の良い、また安らぎの空間を提供できるよう心をこめて内装を施していく姿勢、これが人に伝わるのです(だからこそ、オーダーメイド内装は意味があるのです)。一時期話題になった旅館のもてなしの心、部屋に備え付けてある裁縫箱の針に糸を通してある「心」に共通します。この「心」に通じるものが掃除なのではないでしょうか。
 日米通算最多安打記録を更新したイチローが自分のグローブ等、野球道具を大切に扱うという話は有名ですが、やはり物を大切に扱うという真摯な姿勢がどんどん周りの物や人を動かしていくのかもしれません。

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