体罰
2013年01月18日
成人式の日、予想以上の大雪が降りました。午前中雪が降り出した当初はあんなに短時間に雪が積もるなど想像もできませんでした。まるで吹雪いているような天気でしたね。雪国の人たちから見たら笑われるほどの雪なんでしょうが普段雪が積もることに慣れていない我々にとっては大変な脅威です。雪が降ることを想定していない靴で出勤をしたものですから外出して少し歩いただけで靴はずぶ濡れ、足先から体が冷えて散々な目に合いました。また翌日は道路が凍結し、外をジョギングすることもできずフラストレーションは溜まるばかり・・・私にとって雪国での生活は到底無理だと実感しました。
さて今年に入って大阪の私立高校で起こった、バスケットボール部の顧問の体罰問題が話題となっています。体罰が原因で生徒が自殺をしたという事でショッキングな取り上げ方をするのでしょうが、この出来事に関しては感情的になりすぎず冷静に判断されなくてはなりません。この教師は今まで十数年にわたりバスケットボール部の顧問をしていたのですから体罰を教育の一環として取り入れていたわけですが今まで自殺者は出ませんでした。延べ何人の生徒と関わってきたのでしょうか?おそらく数百人の生徒と関わり、結果インターハイに出るような強豪チームを作ってきたのです。体罰の是非は別としてこの教師の教育は過去大勢の生徒たちにとって決して悪い結果を導き出していたわけではなかったのです。しかし不幸な事件が起こってしまいます。部員が体罰を苦に自殺という。これで今までの評価は180度変わります。「体罰教師」として大変なバッシングを受けることになり、解雇処分になる可能性が出てくるわけです
ところで、日本での自殺者は毎年3万人を超えていました。去年は久々にと言っていいのかどうか3万人を切ったらしいのですがそれでも3万人近い人が自殺をしています。少し乱暴かもしれませんが試算をしてみます。問題の教師がバスケットボール部の顧問となって16年と言いますから16年間の間の自殺者は延べ48万人となります。日本の人口1億2千万人として、0.4パーセントになります。この教師が顧問となりバスケットボール部員として関わった生徒が一学年10人として16年間で延べ160人、自殺をした生徒が一人ですから約0.62パーセント、確率的にはさほど突出しているわけではありません。体罰を受けている生徒はこの高校だけではないでしょうから、確率的には体罰と自殺に相関関係があるとは思えません。今回の事件はどこにでも起こる事件というより特殊な事件というのが正しい見解なのではないでしょうか。
私自身、体罰自体に対し肯定的ではありません。体罰なしでも生徒を教え導くことは十分可能だと思います。しかし私も学生時代体罰を受けた経験から申し上げると体罰というのは暴力ではなく教師が生徒に投げる言葉ではないメッセージともいえると思います。体罰を受ける側がその教師が発するメッセージを受け取ることができれば、言葉で発するより数倍の強さでその教師の思いが伝わるのではないでしょうか。だから体罰を肯定する人が多いのでは。今回の事件はこのメッセージを受け取る受容体が出来ていない生徒がこの体罰を「暴力」と受とったところに悲劇があったと思います。大阪市も含め、あまり感情的にこの問題を扱わないように願いたいです。