ぬるま湯に浸からない
2013年03月21日
安倍首相が、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加を表明しました。日本の決断としては遅すぎた感がありますが交渉の場につくことは大歓迎です。今までの歴史が語っているように保護貿易はろくな結果を招きません。先の大東亜戦争のきっかけとなったのもやはり世界各国の保護貿易政策と言えるでしょう。自国の産業を守るためだけに行われる政策が良い結果を招くはずがありません。今回のTPP参加に関して反対している農協団体は、農作物の関税を撤廃すれば農家は生き残っていけないと決めつけていますが果たしてそうでしょうか?今までのように関税をかけて保護をするから日本の農家は工夫をしないのではないですか。工夫をしないから他国の農作物に価格で負けるのではないですか。農作物が売れる、売れないは何も価格だけではないのでしょう。
金融円滑化法がこの三月末に期限が来ます。これもおかしい法律で銀行に対し、貸し出した際の条件で返済ができない企業の相談に乗ることを義務づける法律です。借り入れの支払いができないなら待ってもらえるというのですから、資金繰りに困っている企業にとっては良い法律だったのかもしれません。しかし、私はその甘えが企業をダメにするような気がしてならないのです。経済環境にはいろいろな坂があります。登り坂、下り坂、そしてまさかの坂もあるのです。そのいろいろな坂に対応し生き残っていく為に企業は工夫をするのではないでしょうか。企業業績が悪くなったら銀行は支払いを待ってくれるという環境では企業は努力しなくなります。そしてぬるま湯に浸かることに慣れてしまった企業には死しかありません。結論を先延ばしにしているだけです。
TPP反対を表明している産業も一緒です。輸送手段も時代とともに移り変わり、経済がグローバル化していく中で、自給率の確保を盾にいつまでも変化せず進化していない産業は、日夜海外の企業との戦いの為に切磋琢磨している産業と比べても不公平です。
ダーウィンの言う「強いものが生き残るのではなく、変化できるものが生き残る」です。金額で勝負しなければならない商品しか作れなければ負ける。とするなら金額以外で勝負できる商品を作ればいいのです。必ず道はあります。
逆境こそ自分を進化させるチャンスです。
日本の全産業が自由貿易の中で国際競争力をつけ確固たる地位を築くよう頑張りましょう。